荒れ果てた家の中、母と私は静かに泣いていた。
父は酒癖が悪く、女癖も悪かった。
散々荒らしたあと知らない女と2人家を後にした。
その日から母と2人暮らし。
母は近くの病院で看護師をしていた。
毎日忙しそうにしていたが、私の事を忘れる事なく学校行事にも参加してくれていた。
自慢の母。
そんなある日…
「ただいまあ。」
…………………。
「お、お母さん!!!!!!」
私は凄く焦った。
リビングに行ったら、母が倒れていた。
無我夢中で救急車を呼び、幼馴染みのお母さんにも連絡した。
救急車を呼ぶのは、初めてでパニックになるし、目の前の光景を目にしているから、頭の中が真っ白になった。
ピーポーピーポーピーポー……………。
私は必死に母の手を握りしめ、救急車の中で祈っていた。
が、神様はこんな時、何をしているのか。
ブォオオン、ブンブンブーン、ブォオオン……………
救急車の前がやたら煩い。
『そ、そこ!!!!退きなさい。通ります、端に寄って下さい。』
救急隊員の人が必死にスピーカーで叫んでいるが止まったまま。
一体どこのどいつが………!!!!!
カーテンを少し開け目だけ覗かせた。
“暴走族”だ……………!!!!!!
足止め状態をくらい、その間に母が急変した。
心配停止……………。
心臓マッサージをしているが、全然動かない。
病院に着いた頃には、もう遅かった。
私はあいつらに憎しみを覚えた。
“許さない”
その後私は施設に預けられた。
施設の中でも問題児となってしまった私。
中1になってすぐに、喧嘩した。
原因は、しつこいくらいに話しかけてくるから蹴飛ばした。
男だろうが関係なかった。
そりゃ、最初はボコボコにされたけど、悔しくてグングン強くなった。
私の相方と共に学年を制覇するまで、そう時間はかからなかった。
中2になりさらに悪化した、私と相方。
先生方も手を焼いていて、困っているのをよそに先輩達を締め上げた。
これで私達が最強となった。
中3になりこの頃から、高校生相手に喧嘩をするようになった。
勿論負けなし。
私の目標。
暴走族を潰す。
相方はそんな私を止めようと考えていた。
暴走族と一般人とは格が違うから。
何度も説得されたが私は止まらなかった。
むしろ許せない。
死んだ母はもう戻ってこない。
相方は私が心配でずっと一緒に居てくれている。
申し訳無いと思っていても、私はもう止まらない。
私は死ぬ気で殺ってやる。
今日から施設を出てやっと1人暮らし。
まぁ…半ば追い出されたようなもん(汗)
バイトしながらの高校生活が始まる。
私の母方のお婆ちゃんが、私に残していってくれた通帳。
そこには信じられない程の額。
それに母親からのもある。
母親のは手を付けたくない。
私が過去を乗り越えるまでは。
私の名前は三浦唯奈(ミウラユイナ)。
今年から高校生になる。
ピンポーン☆
「おはよ、唯奈。」
この子は幼馴染みで親友の雪村千夏(ユキムラチナツ)。
私の大事な相方。
「おはよ、行く前に煙草吸わせて。起きたばっかで頭働かない。」
「ィィよ☆ちぃも一服TIME(笑)」
私達の行く高校はNo.1たと言って言い程の不良高校。
学力的にもあまり良くはないが、私は自分で決めた事をやり遂げるためにここに入学を決めた。
「さて、そろそろ行くよ。」
「唯奈、気合い入れてかないとね♪」
朝からルンルンな千夏……楽しみなのかな?(苦笑)
学校に到着するなり、素晴らしいくらいに不良達がいた。
女の子がなかなか見当たらない。
大体女の子は何人いるんだよ?(苦笑)
掲示板に走ってく千夏を私は歩いたまま追いかける。
「唯奈ーっクラス一緒だよーっ♪」
「そう。」
「うれしくないの?」
「うれしいよ。」
私の言葉を聞いて嬉しそうにする千夏。