昼休み…漸く起きた私。




「あ、やっと起きた?」




私の顔のすぐ横に顔を出す海斗。




「うん。おはよー海斗、亮汰…。」




二人の顔をみて言う。




「え!?俺は無視?」




ウルウルと蒼空は涙目にまでなってきているが無視。
蒼空に爆笑している亮汰の裾をクイクイと引っ張り言う。




「お腹すいた。」



「お、おう。みんなで食おうぜ!!」



「みんな?こな3人も?」





あからさまに嫌がって見せる私に更に笑う亮汰。



「唯奈、機嫌直してよ!!ね?」




楓が私に言うが、フンッと顔を背けると、俊がガタンッ!!と、音を立てて言う。





「っち。もー勝手にしろよ。」




そう言って教室を出て言った。




「もー!!!!俊も素直じゃないんだから!!」



楓はそう言い後を追った。





「何で怒られるの!?そこは、“ごめんなさい”でしょー!?バカー!!」



私は更にイラついた。
結局四人でご飯を食べて、蒼空は何回も謝るから笑った。




「嘘、嘘。蒼空を怒ってないし、嫌いでもないよ。大好きだもん♪」






ぶーーーーっ!!!!!!


…汚なっ。



3人は一斉に吹き出し、私の後ろを指差す。
そこには楓と俊の二人が立ってた。




「唯奈、蒼空の事が好きなの?」



目をまん丸くして言う楓に私はキョトン。




「好きに決まってるじゃん。」



蒼空はアワアワと口をパクパクさせて金魚みたいになってる。



亮汰と海斗は笑っている。
楓も私の口調にニヤついた。




「そうだったんだあ。」
「何を今更?私みn……!?!?」



途中で楓に口を塞がれてビックリ。
楓の一歩後ろで俊は未だに怒っている。
楓が私の口を塞いだのが見えておらず、俊は蒼空を何故か叩いて席についた。




「イテッ(汗)」



「ちょっと!!何で蒼空に当たるの?本当ありえない。」




私が俊の前で仁王立ちする。





「あ?俺もオマエが嫌いだ。」



カッチーン!!(本日2度目)



「は?感じ悪っ!!」




それだけ言い残し、放課後まで俊とは口をきかなかった。
放課後はみんなで倉庫に行くと言うみんなに私は行かないの一点張り。
はい……私頑固者です。



「俊も何とか言ってよ。」



楓が言う。



「放っとけ。」



スタスタと先を行く。




「もーーー!!俊大っ嫌い!!嫌い、嫌い、嫌い、嫌い!!」




引きずられるようにして、私は校門に向かっていたので、下校中の人が皆私に目を向ける。
その日から、私は意地でも倉庫に行かなかった。




11月5日……月曜日、晴れ。


ついにやって来ました、合宿。
私たちは1週間監禁……じゃなかった、勉強を強制にさせられます。



「結局……俊、来たんだ。」




蒼空が苦笑いしながら言った。




「別に来たくて来たわけじゃねーし。…勉強を……。」



「はいはい。」



楓が適当に相づちを打ち終了。




一方、私はそんな会話きけることなく只今到着。
遅刻しました。




『やっと来たか。』




担任に呆れられるもバスに乗り出発。




「蒼空、これ食べるー?」


「ん?わぁっ!!」



たまたま?楓に?席を施され現在、左窓側に蒼空、通路を挟んで右に俊、俊の隣に楓、前に海斗と亮汰。



私は蒼空の返答を待つことなく、棒つき飴を口に入れてやった。




「あはは(笑)」



遠足気分の私に四人は笑うが“奴”はガン見してくる。
勿論無視。





ボロボロの旅館?(←失礼)に着き、早速勉強start。
他の学校からも数人来ているらしい。
さっき担任の説明で知った。



「どこの学校だろね?」



私は楓に聞く。



「さあ?俺も聞いてないしなあ…。」



「ま、まず、唯奈はこの問題解いたら話してね?」




蒼空が言うので、ペンを手に取りやり始める。
左に楓、右に蒼空、後ろに亮汰、俊、海斗。




「えーっと…。」




数十分後……私はペンが止まった。
まだ1問目の英訳だ。
後ろでも“う゛ーん”やら“あ"ーっ”と、声が漏れる。
そんな私たちにワンツーマンにしようと言い、即決定。





蒼空→私、楓→亮汰、俊→海斗となり、始めた。
終わらなきゃ自由時間にならないのだ。



「唯奈……どうしてそうなるの?(苦笑)」



困ったように言う蒼空。



「え?繋げたらこうなった?」



あはは(汗)と苦笑いする私に蒼空が分かりやすい説明をしてくれて1問目突破!!
更に数時間後、三枚の問題用紙を終えた。




「私、やれば出来る子!!」
「頑張ったね。」



蒼空が褒めてくれて、私は満足気に海斗と亮汰に見せる。



「どーだっ!!」



「俺らとっくに終わってるけど…。」



亮汰の言葉で私は撃沈した。




その様子にみんなは笑っていたが、やっぱり奴は笑っていない。
むしろ、なんかまだ怒っている。
無視、無視。



担任に用紙を提出して、やっとお昼ご飯!!
私のせいで、既に12時を過ぎていた……心の中でごめんなさいと、呟く。
食堂に向かっていると、見覚えのある顔が……って、李來!?





「あれー?唯奈ちゃんに、みんなも!!」




一緒にいた友達に合図し、李來だけがこっちに来た。




「なんだー、李來の学校だったのかよー!」




海斗が言う。




「俺たちは進学コースのクラスだから、度々合宿があるんだあ。今回はたまたま他校と一緒の日になったって。」



李來は話ながら私の手を握りブンブンと振る。





「李來って頭ィィんだあー。私赤点ばっかだよ。もー勉強キラーイ。」



不貞腐れ気味に話す私に李來とみんなが笑った。



その後すぐに別れて、昼食を済ませてまた地獄の勉強。
今回はジャンケンでワンツーマンを決めたんだが…私の相方は俊。





「最悪。」



「蒼空じゃなくて悪かったな。」




私の言葉に俊がふてぶてしく話す。




「はい、喧嘩しないで文句言わずにやる!!」



楓の一喝でシャーペンを持ち紙とにらめっこ状態の私。
俊は30分で3枚とも終わらせていた。
私はまだ一枚目の1問目…。
この差は何っ!!





「それ、1問目から間違えてるぞ。」



ボソッと言う俊に私はチーン…。
30分の苦労はなんだったんだ。




「楓~!!」



私は楓に助けを求めた。




「俺、亮汰で忙しいんだ。ごめん、ちゃんと俊に教えてもらいな?」





……パチッ……プイッ……。



目が合うがそっぽを向き蒼空へと顔を向けた。



「蒼空ー。」


「どうしたの?」



「わかんない。」



「……。俺、海斗の頭の悪さに一杯一杯で…ごめん。」



「は!?そんな言い方ねーだろ!!」





蒼空は海斗の猛抗議にも顔を歪ませず丁寧に教えていた。





「そんなに俺が嫌かよ。」



「ちっ。」



私はつい、舌打ちをしてしまった。




「イライラする。」



俊の一言にプッチーン!!