私はあの日なぜ祐太がアイと

会っていたのかを聞けずにいた。

「ごめんね心配かけたよね」

祐太との久しぶりのチャットでの会話。

懐かしいような恥ずかしいような

そんな気持ちでいた。

「ホントにもう大丈夫なの?」

「もう大丈夫だよ心配してくれてありがとう

 アイちゃんにもよくして貰ったからね」

ドキッとした。

祐太からアイの名前を聞き私は

複雑な気持ちになる。

その名前は多分一番聞きたくなかった

言葉だったんじゃないかと思う。

「そ・・そうアイさんそんなによく

 してくれたんだ」

「あれ?結衣ちゃん妬いてくれてるの?

 嬉しいなぁ~」

「そ・・そんなんじゃないよ」

「えへへ」

「もうっ」

「怒らない怒らないっと」

祐太はいつもと変わらない

この心配は取り越し苦労だったんだ

そう思いたかった。

でも私たち三人の運命の歯車は

この時すでにもう取り返しがつかない

状況まで動き出していた。