みんな、ユキ達の事を知りたいんだよね。
でもこれをいったら多分巻き込んでしまう。
いや…
もうすでに巻き込んでしまったんだよね。
ちょっとなら…
いいよね?
「みなさんはユキ達と私の関係を知りたいんですよね?」
「あぁ。」
みんなの視線が私に注がれる。
「わかりました。
お話します。」
私はふぅっとため息をついて話して始めた。
「私とユキとランは昔同じ船に乗っていた仲間でした。
その時は凄く仲がよく兄妹みたいな関係で船の中でも一際目立っていたと思います。
だけど…
ある時を境に私達の心は離れて行った。
私は海賊から足をあらい。
ユキとランは2人の道を進み始めた。
みなさんが見て分かるように2人は自分達のためならどんな事でもやってみせる。
自分達のためならどんな人間だって殺せる。
そんな人達になってしまいました。」
「つまり、
君は彼らを止めるためにまた海賊になったの?」
シンさんが私の話を聞いて質問を投げかけてきた。
「いいえ。
私はもう彼らの事を何とも思っていません。
あの会場ではたまたま会ったんです。」
私はもっと違う理由で戻ってきたから。
これは誰にも言ってはいけない。
「でも、
ハルに手を出したって事は奴らはお前に用があるんじゃないのか?」
ナツキさんはまたコーヒーを啜る。
私に用があるのは確かだ。
彼らの狙いと私の狙いはどんな方法であれ一緒だから。
「分かりません。
でも。
ハルに手を出した事は絶対に報いを受けさせます。」
「アイ…」
どんな事であってもハルには手を出させない。