A
「おっはよー!」
 制服姿で家を出て駅へ向かう途中。
 後ろから幼馴染の風間彩舞(かざまひらり)が声を掛けてきた。
 ひらりが声を掛けてくるのは毎日のこと。
 家がとなりで、しかも通っている学校が同じだから登校時間が大体同じ。
「おはよ。ひらりはいつも朝からハイテンションだな」
 俺は朝に弱い。
 だから朝のひらりのテンションにはついていけない。
「別に?あたしのお母さんとかお父さんもそうだし、結城の両親だってそうじゃん?」
 いまさら何言ってるの、と付け加え、隣に並んで歩き出す。
「そうだけどさぁ・・・俺だけか、朝弱いの」
 二人で並んで歩く。
 いつもどおりの朝が過ぎて行った。