「……その人に助けられたの?救急車で運ばれたりしたとか」



「ううん。ソイツは、家でずっとテレビ見てた。

助けられるほど強くやってないけど…さすがにそのまま学校に行けないし、

包帯買いに出たら、偶然家の前で知り合いに会って。

その人、島岡さんって言って、見た目チャラいのに、超心配性で……無理やり病院に連れて行かれたの」



島岡?



そういえば、昨日伊織が電話で話してた相手も、島岡さんだっけ。



そっか……伊織はその人と知り合いなんだ?



「松本さん……ダメだよ。もう絶対にそんなことしないで?

これからまた毎日ウチに来てもいいよ?ねっ」









「フフッ、越野さんは優しいよね……。あたし、気が強く見られがちだけど、ホントはすごく弱いんだよね。

相談したいときにお母さんはいないし…小さい頃から、いつも家ではひとりぼっちだったから……」



松本さんはボーっと遠くを見つめながら、そんなことを言ってる。



包帯を見てるだけで、痛々しいし、あたしにできることがあれば、なんでもしてあげたい。



友達として、あたしには、なにができるんだろう……。