「眠れねぇから俺と話したいとか、かわいーとこあんじゃん」



「違うの!kaiserってバンド知ってる!?めちゃくちゃよくって、つい伊織に話したくって電話したの」



「……え。そんなことかよ」



伊織は呆れてあたしの顔を見てる。



「そんなことって……最近有名だから、伊織も知ってるよね?良くない?」



「いいけどー……別に、そこまでは。それに俺、洋楽しか聞かね~から」



いや……そーかもしれないけど。









「だけどもうちょっとノリ良くても良くない!?俺も聞いてみよーかなとか」



「だから洋楽しか聞かねーっつってんじゃん」



ムカ。



「英語苦手だし、意味わかってないくせに、カッコいいからってだけで見栄はっちゃって。バカじゃない?」



「……うっせーな。どーせバカな見栄っ張りだよ。そんな俺ってわかってて、眠れねぇとか夜中に電話かけてくんじゃねーよ、バーカ」