「赤松、俺の言うとおりにしてんだ?」



「なんの話?」



「昨日、お前ら大ゲンカしてだじゃん。あのあと、赤松ふて腐れてたから……。

心配してなにが悪い…ってな?で、行き過ぎた行動ばっかしてっと、越野に愛想つかされんぞ?って忠告してやった。

今日はひとりで学校に来たんだな、アイツ」



「なーんだ…小菅くんが言ったんだぁ」



「そ。けどさー、赤松に朝野としゃべるの禁止されてたのに、堂々と一緒に帰ってたよな…」



「あれはっ……偶然会ったんだってば!」



「そっか。まー、俺は越野がどっちを好きになるかが気になるところだけど?」



小菅くんは、ニヒヒと歯を見せて、なんだか嫌な笑い方をする。









「どっちって……あたしは伊織と付き合ってるんだよ?」



「そーだけどさー。ずっと一緒にいた、なんとも思ってなかった新鮮味のない男と、

新しく現れた、ちょっと冴えないけど奥が深い男。……どっちのがいい?」



「なにそれ……比べること自体、どうかしてる」



そうは言ったものの、伊織は一緒にいて楽しいし、新鮮味がないとは思わないけどなぁ……。