いや……俺が、ムリ。


いくら彩花に認められるためとはいっても、


あんな堅苦しい格好、俺にはムリだな……。






朝野、よく肩凝らねーよな……。


制服は着崩してこそ、個性が出るってもんで。


型にハマるのが苦手な俺からしたら、みんなと一緒、右ならえ右は、かなりキツい。


「じゃあさー……なんで俺に彼氏のフリしてとか頼んだわけ?

他のもっとマトモなヤツに頼めばいーじゃん」



「んー……だって、本気になられても困るし……それに、態度デカくなきゃ、アイツに立ち向かえない気もするし。それに……」


そこまで言って、松本は一歩前に出て、


俺との距離を少し縮めてきた。