「ねぇ…朝野くん…」



「彩花…なに言われたか知らないけど、赤松くんより、俺を信じて。

ずっとそうしてきたよね?俺がウソなんかつくわけないだろ?」


朝野くんの真っ直ぐな目を見てると…


真実がわからなくなってくる。


「だけど……あの日、あたしにかけてあったジャージは…あれは、本当に朝野くんのなの?

昨日着てたのと…違うよね」



そこで朝野くんは、ハッとする。


「あ…あれは…。そ…そうだ、俺、合宿のあとに買い直したんだった。

なんでそんなこと聞くの?」


買い直したの…?


それなら、昨日着てたやつがキレイなジャージだったのも納得がいく。








「そう…なんだ?」



「そうだって。疑うなんて、彩花らしくないよね…」



朝野くんは、テーブルに置いてあるグラスを手にとると、それを一気に喉に流しこむ。



そして、あたしの手をギュッと握ってきた。