それは別に……彼女になりたいだとか、そういう感情じゃないはずなのに、



聞いたそばから、なにも手がつかなくなるほど落ち着かない。




あたし……




あたし、伊織のこと……




自分のモノだって思ってない?














今になって思う。




伊織はあたしとは別の人間だし、性別も違えば、生まれ育った家も違う。




ただ隣の家に住んでいて、




たまたま親も仲良くて、あたしたちも仲良くなって……。




同じ小学校に通い、中学校に進学して、そして同じ高校に通ってる。



ずっと足並み揃えて育ってきたから……



伊織が自分の思いどおりにならないと、なんとなく嫌だって思ってる自分がいる。