絶対にキスはしないって言ってるし……途中で伊織が唇を離せば、あたしの勝ちなわけで。




「そっ……そんなことしなくても、あたしは伊織と仲直りしたい……よ」




「そう?今までこんな長い間話さなかったことなかったし……なんとなく、ケジメ?ハイ、どーぞ」




伊織はいったんポッキーを口から離すと、あっという間に先端をあたしの口に突っ込んだ。




抵抗する間もなく、伊織は反対の先端を軽く口で食む。









「ちなみに折ったら負けだから」




伊織は歯で噛みながら、話しにくそうにそう言ってきた。




う……わ、




伊織の顔がかなり近くにあって、あたしは微動だに動くことすらできない。




ちょっと動いただけで……折っちゃいそーだし。