夕陽に照らされ、並んで歩く二人の影が大きく伸びている。


分かれ道の交差点が見えてきた。

繋がれている手に力が籠もる。


交差点の信号が、青になった。

僕は左に曲がり、彼女はそのまま真っ直ぐだ。


彼女が、名残惜しそうに手を離そうとした。

その時、その手を強く引いて、


『・・・っ!?』

僕の唇と彼女のそれを重ね合わせた。

『バカ優希』

顔を真っ赤にしながら、彼女は横断歩道を走り抜けていってしまった。