『お疲れ様でした。まずは、アンカーを頑張ってくれた杉浦に拍手!』
みんなが私の方を見て拍手を始めた。
なんだか恥ずかしい気分だった。
最後の最後に抜かされたのに、拍手だなんて…
そして、先生が再び口を開いた。
『杉浦はあれだけのプレッシャーの中走ってくれた。途中で抜かされたのは、杉浦のせいではない。みんなの責任だ。1人1人が少しずつでも速く走れば、杉浦と次のクラスとの間が空くでしょ?そうすれば、杉浦は余裕でゴールできた。だから、杉浦を責めることだけはするな。』
みんなにそう言った後に私の方を見て、
『杉浦は悪くないから。よく頑張って走ってくれたね。』
と、言った。
私はその言葉が心に残った。
今にも涙が流れそうだった…