その週はほとんど定時上がりで、久し振りにゆっくり出来た。

7年の歳月は決して短くなく、整理する物はたくさんある。
一つ一つが思い出・・・ではなかったが、必要なものと不必要なものに分けるだけで、結構な手間だった。

大切にファイリングしていたものでも、いざ開いて確認してみたら不必要だったとか、そんなものがザクザク出きたりもした。
一応、1枚1枚確認をして、シュレッダーにかけている。
思わぬ所から探していたものが出てきたりもした。
すでに必要だった期間は過ぎ、あのときあんなに探したのにと、溜め息しか出ない。

引っ越し準備で大型イベントの企画を立ち上げる事が出来ないので、そのぶん帰りは早くなった。

必然的に、佳乃はセッテと過ごす時間が長くなる。
相変わらず仕事も家事も完璧なサポートを見せた彼に、佳乃の信頼は少し形を変えていった。