血の記憶が蘇る。


胸の内がざわざわと音を立てているような



少女は大人になった今、その思いを懺悔する。

大好きな人に、昔のことを。

傷は消えるかな、いまは塗り薬もあるよね
大人になった少女は言った。




大好きなその人は、静かに言った。



『この傷はね、一生消えないよ。だって自分でつけたんだから。』


ズキと胸が締め付けられる。


『でもね、もう過ぎたこと。気にすることもないんだよ。無理に消そうとする必要もない。』



静かに、でも強い口調でその人は言いきった。