お母さんは私の部屋から出て行った。


とても軽やかな足取りで。


そんなに楽しみなのかなー。


まぁ…10年以上ぶりに会うんだもんね、実の息子に。


「はぁ…」


ため息が零れた。


なんか、今更になっちゃうけど…迷うな。


—————コンコン。


え?…私は音がするカーテンが閉めてある窓の方に行った。


「葵!?」