──…「お前、」
突如背後から響いた低い声にビクリと肩を揺らす。
何故女湯で男の声!!?
いやまて落ち着け私。ここは“女湯”だよ?…いくら声が低くたって、ただ単に声が低いだけの女の人かもしれないし。ほらあれだよ、流行りの歌○手さんに確か96○さんという名の素晴らしい方がいるじゃないか。あの方は女性でも低音域が得意だし、むしろそれをウリにしてる訳で。ああ、だからつまり今私の後ろに居るのはただ単に声が低いだけのじょせ──…「…チッ…うぜえ」
「…え?…っっ!!?」
溜め息混じりの舌打ちと文句に思わず振り向けば、
「の、ののの…っ!覗きだーー!!!」
そう…そこに居たのは、まさかの男性だったのだ。