*結羽香Side*
「あ、私も」と言って舞璃と出てきた。
とりあえず荷物を置きに部屋に向かいながら、まだゴチャゴチャの頭を整理していく。
お風呂あがって…陽の荷物が全部なかったんだよね、確か。
泥棒…?だとしたら陽の荷物だけ盗るなんて不自然だし。
金目の物を狙うなら、全体的に漁るだろうし…そもそも犯人は女?…もしかして男?
「そういえば…」
思わず口をついて出てしまったらしい。
「結羽香どぉしたのっ?」
舞璃に聞かれてしまった。
まぁ、いいか。
「…あのね、これは憶測だけど──…」
私は……“犯人”についてわかったことを舞璃に話した。
「それってっ──…」
「…うん」
二人、目を合わせて押し黙る。
もしかしたら──…陽が、死ぬかもしれない。
そんな、漠然とした深い恐怖にのまれそうになりながら。