分かってはいたけど

こういうの見ると、
堪える。



俺は、沸き上がってくる
いろんな感情を抑えて

「ずっと応援するからな」

自分に言い聞かせるように
声に出した。



「ふぅ……」

一つ溜め息。そして、


「何してんだよ」

いつもの調子でななを起こした。


「んー…」

ななはまだ眠そうにしていたが


「寝ちゃってた…?

あれっ
俊太?部活は?」

俺の顔を見て目が覚めたようだ。


「だるいから
行くのやめた」

苦し紛れに嘘をついたが、

「だめだよ、
試合近くない?」

ななは本気で心配している。


「大丈夫だよ。
今日練習になんねぇから。
俺、まったく…
こんなんじゃだめだな」


思わず本音が
ぽろっと出てしまった。