「あ…」


教室では
ななが一人、
自分の席に座っていた。


びっくりして声を出してしまったけれど、ななは俺に気づいていない。


ってか、どう見ても


「寝てる、よな」


お前ってやつは…


俺はななに近づいて
おい、とななの肩に手を置こうとして、動きを止めた。


ななの机。

その端に、たぶん
ななが寝ぼけて書いた文字が目に入ったから。



“会いたいです、せんぱい”