「大事な人って、美晴の事か?

優理、お前は何が言いたい?」


「フフ、鈍感な人ね。

美晴さんだっけ?

その人のところに、

『彼』が、会いに行ってるの」


「彼って??」


「谷口先生って言ったら、

孝明さんにもわかるかしら?」


「?!」

目を見開いたオレに、

言葉の続きを言う優理。


「こうやってのんびりしてる間に、

美晴さんは、彼のモノ」


その言葉を最後に、

オレは部屋を飛びだしていた。


・・・

美晴に触れるな。

・・・

やっとの思いで、

恐怖を克服したって言うのに、

無理やりそんなことしたら・・・

美晴は、もう・・・

もとに戻れないかもしれない・・