「おとーさん! こっちこっちぃーっ!!」
いつも通る公園で、まだ幼稚園ぐらいだろうか、小さい女の子が父親らしい人の腕を引いているのが目に入った。
「そんなに慌ててると転ぶぞー」
父親らしい人は腕を引かれながらも、心底愛しそうに女の子に語り掛ける。
(微笑ましいな…)
俺は、もう何年も会っていない親のことを考え、
「・・・わぁ・・・っ、……かわいい……」
物思いに耽ろうと親子のいる公園を離れようとしたところで、そんな声を聞いた。
……正に、天使が舞い降りた瞬間だった。
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