「…ここはどこ?」
喪失感があるなか目をさました。
「お気づきになりましたか?急に倒れるので驚きましたよ。」
とても丁寧な敬語で話しかけてくる。
??
風…だ。しかも一応離れてくれている。
「その敬語、気持ち悪いよ。」
お嬢様と執事なのだから敬語は普通だが同い年のせいか嫌でしかたなかった。
「…わかったよ。でもなぁ一応立場っていうのがあるんだからな?」
言い返せないのがつらい。
「そもそもなんで私の家にいるのよ。」
「執事だから。」
即答ですか…。
「訳がわからないわ!私が男の人嫌いなの知っているわよね?」
風がうなずく。
「なら、なおさらだわ。来た意味がわからない。」
風は少し考えてからこういった。
「俺は未柚の男嫌いを直すためにきたの。」
言葉を疑う。聞き返してしまいたい。
なんで…。
そのとき雷が鳴り出した。
「きゃぁ!」
雷も暗いのも寒いのも大嫌い。過保護な癖に喋りかけてこない両親なんて嫌い。
広いところに一人で寂しい思いを感じてしまう。
涙がでてきてしまう。
嫌い、苦手だけど、風に心配かけたくない。学校で初めて話しかけてくれたのに…。
なんでこんな結末なの?
「つっ…な、なんでよ。なんで…」