「さて、久しぶりにユウの顔見れたしあたしは帰ろうかなぁ」

彩矢がおもむろに立ち上がった。

「は、お前帰んの!?」

百瀬がすごい勢いで彩矢の方に振り返る。

「うん!! これでも一応受験生ですので」

まずこの時期に受験生がこんな空間にいることが不思議だ。

「よく言うわ。塾に彼氏がいるだけだろ」

百瀬がふてくされる。

わっかりやすっ。

失礼ながら小さく吹き出してしまった。

中学生でももっと上手に隠す。