「ねー、ユウ俺腹ヘった」
眠そうな人、改め小山が裕に言う。
自由すぎるぞ小山……。
「ノリに言えよ俺ん家じゃねぇし」
「あ、キッチン自由に使っていいよ。
冷蔵庫もご自由に。
母ちゃんもユウなら文句言わないから」
「何で俺が作んだよ」
「だってユウしか料理出来ないじゃない」
ねー、と全員に呼びかけて恵と千鶴を除く全員が同意する。
竹沢裕、四面楚歌。
裕は少しだけ顔をしかめ、考えるような表情をしてから立ち上がった。
「いつも言うけど、簡単なモンしか出来ねぇかんな」
部屋を出て行く裕に、先ほどと同じく恵と千鶴以外の全員から歓声が飛ぶ。
コントだ、コント。
ここにきてからのやりとりがほとんど全部コントに見える。