野々宮はクスクスと笑い続けている。

「なに、自己紹介でしょ?
早く言いなさいよ」

「誰が邪魔してんだよ」

そして小山に小突かれる。

仲良いんだなぁ、なんて初めて見た恵にも伝わってきた。

「あれ、いつもやってるから気にしないでね」

笑いながら隣に移動してきた女の人は千鶴ではない。

「あたし彩矢。百瀬樹紀と同い年だから一個上だけど気にせず仲良くしてね」

少しきつめの美人はそう言って、同性でも思わず見とれる笑みを浮かべた。

「よろしくお願いします」