「笹原さん、」

矢野に呼ばれて少し顔を上げた。

「バカ」

ぺしん、と力なく頭を叩かれた。

「え、バ、バカ……??」

「もー、色々バーーカ」

子どものようにイーッと顔をしかめる。

「ごめん」

「いいよ、全部含めて好きだったから。
笹原さんがそんだけ俺のこと考えてくれたなら十分だから」


「ありがとう」