「告白の……返事、なんだけど」

声がうわずった。

「うん」

恵より緊張するはずの矢野の方が落ち着いている。

「やっぱり、矢野くんとは付き合えない」

ごめんなさい、と言った声は小さすぎて届かなかったかもしれない。

「これ以上待っても変わらない??」

笑顔のまま、片眉を上げて窺うように矢野が訊く。

「変わらない」

今日一番はっきりと言った。

好きなのは竹沢くんだけ。
もしこの想いが叶わなくても、その気持ちは変わらない。