そんなの、違う。
そんなことしちゃいけないことは分かってる。
考えなくても分かることを何時間もかけて考えた。
そして決めた。
ちゃんと矢野くんに伝えよう。
時間がたてば、また要らない言い訳をたくさん並べてしまいそうな気がして、休み時間に自分から矢野の席に向かった。
「矢野くん」
振り返った矢野の屈託のない笑顔を痛いと感じたのは恵の一方的な都合だ。
「なに??
笹原さんから来てくれるとか初めてでしょ!?」
初めて。
そして、たぶん最初で最後。
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