「うるさいっすね。
わかってますよー」

静かな部屋の中、何かを叩く音だけが響く。

「てか、これ違う人でも出来るんじゃないんっすか?」

叩く音の正体はパソコンのキーボード。
画面は数字が並べられている。

「あのねー、これだけで食っていけないの知ってんでしょう?こっちは、あんたと違って生活がかかってるんですよ」

イヤホンから漏れてくる微かな声の主。

リズム良く打ち込んでいく。

「我ながら天才だな」

画面からは新たな数字が映し出されている。

「これ解いてもいいっすけど、ただのフェイクですよ」

イヤホンから怒鳴り声が静かな部屋に響かせた。

―完―