「へぇー!果歩ちゃん、可愛いのに
彼氏出来たことないんだ!」
「いや、可愛くなんか、ないよ」
「そんな、謙遜しないで。
ほんとに。今日いた子の中で一番
可愛いと思ったよ、俺は。」
お世辞の上手い人だな。
こんな言葉でいつも、女の子を
落としてるんだろーなぁ。
あたまが良い人はすごいや。
なんて、感心しちゃった。
「じゃあさ、キスも
したことないんだ?」
「え…も、もちろん、」
自慢出来ることでもないのに
もちろんとかいっちゃった!
「俺、結構上手いよ?ためしてみる?」
自慢げにニヤッと笑うと
私の両肩を掴んで顔を近づけてきた。
私は慌てて
「ちょ、ちょっと、やめて!」
男の子の胸を力いっぱい押した。
だけど、男の子の力には
かなわない。
だんだんと顔が近づけてきて
もう駄目だ、と思ったら
「ちょっと、何してんの?」
いきなり上から声が降ってきた。