「魅織、どうした?」

ボーッとしていたウチに急に声を掛けた男・・・

それは、いつもウチのそばにいた誠だった。


「誠・・・?」

「なんだ、お前らしくねぇじゃん?」

「ウチらしいって何よ?
ウチはウチだから」

「なんか・・・元気ねぇみたい・・だし?」

ここは天下の暴走族、立花。

総長はウチの父親、立花 龍道。


ウチは今年で16歳だから暴走族に入れと言われている。

バイクは触るのも見るのも乗るのも好き。

たったの5回ほど無免許で乗ったことがあった。

当時、他人には私が背が高いせいで高校生に見られたらしい。