「魅織、遊んでやれ。」

「あ?何でウチが?」

声を掛けてきた父に、『ウザい』と言いたげな瞳でそう言う。

「大丈夫だ。睡眠薬を含んだコーヒーでも飲ませて、服従させるだけだ。」

「わかったよ・・・。やればいいんだろ、やれば。」

ウチ、立花 魅織。

今年から中学生の12歳。

ウチのコンプレックス・・・


それは、背中全体に入れられた龍の刺青・・・

それから、左肩に鮮やかな赤バラのタトゥー・・・

さらに、右脚太腿に絡みつくように入れられた蛇の刺青・・・

そして最後に、右肩から鎖骨にかけて入れられた蝶の刺青・・・


どう言ったって消えやしない。


全て身体に刻まれた不良の証は、

変わろうとするウチの行く手を阻む。


「誰か、ウチをここから連れ出して・・・。」