暫くの間河田は硬直して、そしてみるみるうちに真っ赤になった。
「……あ、あああのー、牧瀬さん。つかぬことをお聞きしても宜しいでしょうか」
「…いいけど」
「……ま、牧瀬さんは、あの……な、何で僕なんかを、その…」
ゴニョゴニョ言葉を濁す河田。
でもまぁ、言いたいことは大体分かる。
あたしが河田のどこを好きになったのか、って事だろう。
「ま、牧瀬さんみたいに美人で素敵な人が、どうして…僕はかっこよくないし、ダサいし……」
「河田はダサくなんてない」
まぁ、容姿については今は触れないでおこう。
「河田はいつも、自分より人のこと考えてるじゃん。
それって凄いことだよね」
そんな、河田のことが、
「…あたしは凄い尊敬するし、憧れるし、…す、好きなんだけど」
……な、なななんか
自分で言ってて心臓が痒い!!痒死にする!!!
「じっじゃぁ!また明日!!」
痒死の危険を鋭く察知したあたしは、慌てて河田に背をむけ家路を走った。