翌日。
「おはようございます若菜さんこれを見て今すぐ見てすぐに見て!」
登校してきた若菜を速攻でつかまえた。
「…なんなの朝から。鬱陶しい」
親友に対し口の悪い若菜。
だがあたしが差し出したプリクラを素直に見てくれるところは、やっぱり優しい。
「…へぇ。よかったじゃん」
ちょっと驚いたように目を見張る若菜。
「がんばったんじゃない?
あんなに直前、死ぬ死ぬ言ってた割には」
「でしょーっ?あー楽しかった」
ほんとに楽しかった…と昨日のことを思い出していると
「…へーぇ」
若菜が感心したような声をあげた。
「あんたもそんな顔できるんだ」
「そんな顔?」
「緩みきった締まりのない顔」
「な」
「褒めてんだよ?
今まで美愛、彼氏と何しても淡々としてたし」
「あー…」
確かに。
初めて彼氏が出来た時も、キスした時も
“こんなもんか…”
あたしはいつもそんな感じだった。