何も言わずちらりとお兄ちゃんを見ると、きょとんとした顔で私を見た。 …負けた。 言わざるを得ない感じが漂っていたからだ。 「その…宿題が出てね?それが数学で、私、いっちばん苦手な教科なの…」 言った。 笑われちゃうかな…。 だけど、そんなことはせず、お兄ちゃんは口の端をにやりと上げた。 そして言ったのだ。