「柚希?入るぞ」

お兄ちゃんが部屋に入ってきたから、急いで笑顔の準備。

もう、いっぱい泣いた。
弱い心は、すべて涙で流した。

大丈夫。

「あ、卒業おめでと、お兄ちゃん!」

精一杯笑顔で言った。
けど、お兄ちゃんには分かっていたみたい。

「ありがと。無理して笑顔つくんなくていい。一人で泣きやがって…俺がいるときは俺の胸で泣け」