はっとしたときにはもう遅かった。

「柚希…」

「あ、や、ちがっ…あのっ…んんっ」

否定しようとしたら口を塞がれた。

「ごめんな?でも、すぐ帰ってくる。待ってられるな?」

お兄ちゃんがすまなそうな顔をする。
…そうか。お兄ちゃんも、同じ気持ち、なんだよね。

私はコクンと頷いた。