「そりゃあ…―――だから!」


はい?

あ、また幻聴ですか…?

あたし、もう年かなぁ…。



返ってきたチャラ男からの返事に、
あたしは耳を疑った…。




『そりゃあ…、

2人とも学校1、2の美人ってウワサだから!』



うん…。

この人の頭がおかしいのか、
あたしの耳がおかしいのか…。



「2人とも、ほんと可愛いよね!

学校中のウワサだよー!」


「………。」


あー、なんだ。

あたしの耳じゃなくて
チャラ男の頭がおかしいのかー。

よかったわー。



「何、その顔?
もしかして、ミサ自覚なし…?」


あ、まどか様~。
我に返りましたか~?


てか、自覚って…

「なんの自覚?」


「「はぁ!?」」


なんですか、2人でハモっちゃって…。
さっきまであんな空気だったのにさ。



「ありえない!
ミサ、自分が可愛いって自覚ないの!?」


可愛い…?

あたしが?



「…ぷっ!なにそれー!

ないない!あたしが可愛いとか!
なんの冗談って感じ!」



まどかが可愛いのは分かるよ?
これは、可愛すぎ!

だけど、あたしはないでしょ!

2人そろって、なんの冗談よ。





「はぁー…。冗談なんか「あーっっ!!!」

「何よ!急にっ!」



だって…、だって……!


「あと5分で遅刻っ!」

「「はぁっ!?」」

「急ごーッ!!」




あたしたちが長話をしている間に
時計の針は8時30分を指していたのであった。