今日私は、友達の咲来に連れられてアイドルグループBANKのコンサートに来ていた…
そしてグッズとか言う物を、買う為に長い列に並んでいる…

「棗!今日こそBANKのよさを知ってもらうからね!!」

「…いいけど誰が誰とかあんまり覚えてないよ…」

「大丈夫!今から説明するから覚えて!」

「い、今から!?七人ものメンバーを!?」

「それくらい楽勝でしょ!いい!」
そう言いながら咲来は、鞄からアイドル雑誌を出し広げた。

「…わかったよ…〈はぁこんな短時間でメンバー覚えろって咲来鬼だよ〉」

「まず!リーダー的存在の南沢 宏 彼は身長が小さくて、童顔でいつもMCを担当しているのそんでもってグループの最年長!次!瀧川 太亮 彼はエロかっこよくて、ツンデレ系のオラオラなの!」

「うん…」

「これは星野 裕 彼はいつもフワフワしていて癒し系で度胸がメンバー1あるの!そんでこいつは咲良崎 俊樹 こいつはかなりのヲタクで、ドMなの!」

「え!ヲタクでドM!?」

「うん(笑)ひくっしょ」

〈引くと言うかヲタクがアイドルってなんか意外…〉

「あと三人バッと言うからね!」

「どうぞ…」

「これは藤城 航 メンバー内の母親的存在!これは仙堂 司 悪ガキで、メンバー1イタズラっ子!最後が、稲森 健汰 同じく悪ガキで、グループの最年少なの!分かった!!?」

「なんとか分かったけど…咲来は誰のファンなの?]

「私は太亮に決まってんじゃん!!はいこれあげる!」
広げていた雑誌を私に渡す咲来。

「エロかっこいい人?」

「そうよ!覚えたわね!」

「一応覚えたよ…それより私、グッズ買わないのに並んで大丈夫なの?」

「はぁ!!棗コンサートに来てんのにグッズ買わないの!!」

「だって誰のグッズ買えば良いのか分かんないし…」
〈だいたい咲来に連れて来られただけだし〉…そう思っていると。

「まぁそうよね…アイドルに興味が無いあんたを無理に連れて来たし…コンサートが終わって好きになったメンバーのグッズ買えば良いか(笑)」

咲来がそう話してる間に私達の番が来た…

「私あっちで待ってるから」

「はいよ!えっと瀧川君の団扇とフォトとパンフレットとポスター!」

「以上で宜しいですか?」

「はい!」

「全部で、3900円です」

「じゃあこれで」

「お返しが100円です、不良品以外の返品、交換はできませんので」

「ありがとうございます!」

「咲来いっぱい買うんだね…」
 
「こんなの常識よ!」

「そうなんだ…私が好きになったら咲来みたいになるのかな?」

「棗が好きになってくれたら、話が弾むから私は嬉しいけどね(笑)ただし!太亮は私のものだけど!」

「はいはい…」
この時私はまだ気づいていなかった…このアイドルを好きになるなんて…

「ほら棗行よ!」
グッズを買い終わり私達は会場内へ入った。

「喜びなさい棗!今日の席は一番観やすいアリーナ席よ!」

「アリーナ席ってなに?」
ふと疑問に思い聞いてみると。

「あんた知らないの!?」

「サッカー観戦で良く来るけど、アリーナなんて言葉ないもん…」

「このサッカー娘…いい!アリーナ席ってのはね、サッカーで言うとグラウンドの事をコンサートじゃ言うの!」

「グラウンドを!でもどうやってグラウンドで観るの?」
ついてこいと言わんばかりに咲来は私を引っ張る。

「これがアリーナよ!」

「なんなのこれ!グラウンドが無くなってる!!」

「当たり前でしょ、コンサートなんだから…私達の席はここ正面ステージの前の最前列♪」

「一番此処が観やすいの?」

「そうよ!さ!あんたは誰に心を奪われるかしら(笑)」

「咲来…楽しんでる?」

「もちろん!BANK好きが増えると思うと嬉しくて(笑)」

「まだ好きになるとは分かんないのに…」
席に座り、咲来はさっき買ったグッズを出す。

「やっぱり太亮カッコいいわ♫棗もそう思うでしょ!」

「…正直私はこの人苦手かも…」

「マジで!!太亮のファンかなりいるのに!」

「そんなに人気なんだ…」

「そろそろBANKコール始まるわ!」

「BANKコール?」

『BANK!、BANK!、BANK!」

「!?」

「これがBANKコールよ。開演時間が近付くとやるのよ!」

「へ~!?」
感心していると、周りが暗くなった、次の瞬間大きな花火の音と共にコンサートの幕が上がった…
バーン

「行くぞ~!!!!」

「キャー!!!」

「すごっ!?」

「太亮~!!」

「お前ら!!会いたかったか!?」

「会いたかった~ぁ!!」

「俺らも、会いたかった♡」

「キャー!!!」

「こんな事言うんだ…」

「ヤバいでしょ!!」

「やっぱ苦手だ…」
ふと私は南沢 宏の方を見た…

「!?」

「ヤバっ!目があった…」