深い緑色の髪が、日の光に透けてキラキラと光って見えた。
そして、“サクラ”を見上げるその瞳は薄い茶色でとてもきれい。
そんな事を考えながら横目に盗み見ていると、“サクラ”を見ていた慄瞬様のきれいな瞳と目が合う。
「どうかしましたか?」
と優しく聞いてくれる
その声もすてきで、私の頭を痺れさせるには充分だった
恥ずかしくて、思わず下を向くと
そっと、手をとられ 何かを手にのせてくれた。
その手の中を見ると
それは“サクラ”の花がたくさんついた、“サクラ”の枝だった。
ぱっと、顔を上げるとまた慄瞬様の瞳とぱちりと目が合う
「あなたに差しげます。」
とまた笑ってくれた。