彼女が俺の背中で泣いていた。

つまらない、なんて嘘だ。

声を我慢して、涙ばかり流す彼女を見ていられなかった。


「なんで愛してくれないの?」


裸の彼女が俺を背中から抱きしめる。

彼女はただのばか女ではなかった。

全て気付いていた、俺の形だけの、


「愛してるよ、」


愛の言葉に。


「ウソ」

「本当だって、」


俺がベッドの下に落ちた彼女の服を拾って渡そうと振り返った時、彼女は俺の肩を掴んで、

押し倒す。


「レイプされちゃうのかな、俺」


そう言って、笑いかけようとして、
息が止まった。

彼女の涙が俺の頬の上で弾け、
憎しみと、熱と、愛が入り混じった瞳で彼女は俺を睨み付ける。

その姿は、今までにないくらい魅力的で、


多分、初めて、

君を他のセフレとは違う、

『特別』に思えたんだ。