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「なに、これ…」


君の股に赤い印。
俺の知らない、キスマーク。


「…さぁ?忘れた」

「忘れた…って」


彼女はなんの悪気もないように、
めんどくさそうにベッドから起き上がる。

俺は頭の中真っ白で、
ボーッと彼女の冷たい目を見つめていた。


「……なに傷付いたみたいな顔してるの?」


そう言った彼女の顔は、

少し前の、

俺に似ていた。


「…先に裏切ったのは、どっちよ」


嘘ばかりついていた、

人を愛そうとしなかった、

少し前の、俺に。