「おはようございますっ」 あたしが走り抜けると、そのおばさんは笑った。 家から駅までは徒歩5分位。 改札を、顔を火照らせて抜ける。 丁度ホームに滑り込んだ電車に乗る。 肩に掛けていたバックを床に降ろすと、目の前にいた男の人と目があった。 そして、二人同時に目を見開いた。