「ほらっ!行こっ!」

ぎゅっ。

ツバサの人懐っこい笑顔が私の手を引く。


そのときは別に恋愛対象にはさらさら思っていなかったが

やっぱり男の子と手をつなぐのは緊張した。

「エリちゃぁ~ん。ブランコやろー」

「うんっ!」

ツバサといると時間がとても早く感じた。

日が暮れそうになるまで遊んで

泥だらけでうちに帰ると

いっつもママに怒られる。

「何でこんなに汚すの~!」

こんな日々をツバサと送るのが私の日課だった。