「お父さん!お父さん!お父さん!……」


何かある度に父を呼んだ。父が大好きだった幼少時代…


私は母よりも父が大好きだった。


今でも周りはファザコンだと言うけど…否定しない!胸を張ってファザコンを認める私がいる(笑)


父の余命宣告…家族の中で一番ダメージを受けたのは母に違いない。


その時、母の心は何を想ったのか…私にはわからない。


母は泣き崩れていた。

私はどうすることもできずただ立ち尽くしてた。


なんて声をかけていいかわからなかったから…


変にその場を取り繕ろうとしても家族にそれは通用しない。

夫婦の間のことは、わからないけど父が残した言葉を…母は母なりに受け入れた

どの親でも最後に想うのは子供の未来。

『子供たち代わりは他にいないから…頼んだよ』

『子供たちの代わりは……』 なら自分の代わりは??


死んでしまえば母を守ってやれない… 泣き虫な寂しがり屋の母…
独りで生きてくなんて無理だろう…だから……


自分の代わりなら他にたくさんいるから…


寂しがり屋の母に向けた父なりの精一杯の愛の言葉だったんだろう。