空港で最後にキスを交わし、
小さくなる彼の大きな背中をずーっと見ていた。


もう泣かない。

私だって頑張るんだから。


私は彼に背中を向け、ゆっくりと前に歩き出した。




すっかり暗くなった夜空を歩き、空を見上げる。


「うわ…綺麗な月…」


今日は満月。

私達の新しい門出を祝福するかのように、凛と美しく輝いていた。


私は走り出した、早く…早く歌いたい!