いきなり歌いだしたからびっくりしたのか、視線は一度集まる。 (みんな…聞いてる…) ―なーんて思っても、すぐにみんな自分の世界に入ってしまうんだ。 でもいいの。 だって自分のために歌ってるんだもの。 誰かに聞かせるわけじゃない、 私が歌いたい…ただ、それだけ。 私の夢はそんなもの。 小学生の時はお菓子屋さん、中学生の時は教師。 高校生になり、バンドを組み始めた。 そこで人生が大きく変わった。