「ホント、自分でも馬鹿だってつくづく思うんだけど」
どくんどくんどくん、
「好きだとさ...目で追っちゃうっていうの?ホント、馬鹿だよね、」
何を、言ったらいいのか。
恥ずかしそうに笑ったソウちゃんを見て、
「...でもそれが恋だよっ」
なんて笑った私。
一体私は何を、言っているんだろう。
〝それが恋だよ″なんて。
「ソウちゃんは、咲さんのこと、それくらい好きってことじゃんっ」
自分で言って、こんなにむなしくなる。
「...さんきゅ、シオ」
呼ばれた名前が、胸を締め付ける。
「ごめん、トイレ、行ってくる...ね」